1エキスパンションにプレイアブルなカードは何枚あるのか

 みなさん、アローラ!

 東京大学ポケモンカードサークルの山口利休です。

 本日より、東京大学ポケモンカードサークル公式ブログを開設することになりました。これから、不定期的にポケモンカードに関する記事をアップしていく所存です。何卒よろしくお願いいたします。

 さて、それでは本題に入りますが、ポケカの拡張パック(大型エキスパンション)、強化拡張パック(小型エキスパンション)に関してよく話題に上がることと言えば何でしょうか。一番声の大きいものはやはり「新弾の発売スパンが短い」でしょうか。毎月最初の金曜日に新弾が発売し、環境がコロコロ変わるカードゲームはポケカの他にないでしょうね。特にダークオーダー~ウルトラシャイニーの環境では最後までメタゲームが固まらず、様々なデッキが環境中に存在していました。もう少し長くこの環境でやってみたかった、と思わざるを得ません。

 もう一つ、話題に上がるものとして「一つの(強化)拡張パックにプレイアブルなカードが少ない」というものが挙げられると思います(ここでは、「プレイアブル」を競技レベル(チャンピオンズリーグ、シティリーグレベル)で使用され得る、と定義しておきます)。しかし、実際にどれくらいのカードが競技レベルで使われているのかを調べている人は私の観測範囲では見つかりませんでした。そこで、本記事では、プレイアブルなカードの枚数と割合を調べると同時に、もう一つの不満点として挙げられることの多い「再録カードの多さ」についても検証することにしました。

 調査範囲は、フェアリーライズ(SM7b)、超爆インパクト(SM8)、ダークオーダー(SM8a)の3つとしました。これらは、スタンダードレギュにおいて、XYシリーズのカードと同時にプレイされた期間がない、あるいはその期間が極端に短く、評価がしやすいこと、また、CL新潟までの結果を参考にできることから選出されました。ウルトラシャイニーはハイクラスパックであるため除外、タッグボルトはカードの評価が定まっていないとして除外しました。本当は全エキスパンション調査するべきだけれど面倒でした。カードリストもエクセル手打ちだし……。

 プレイアブルかどうかの判断基準として、主にチャンピオンズリーグやシティリーグの結果を参考にしていますが、最終判断は私の独断と偏見に基づいています。ただ、評価の難しい進化前のポケモンについては以下のように判断基準を定めました。

  • 進化前のポケモンは進化後のポケモンが使われている場合、一律でプレイアブルと判断する。

 例えば、競技レベルでは、ゾロアは「ふむ」が使われることがほとんどだと思いますが、選択肢になり得る、として「やみにかくれる」ゾロアをプレイアブルと判断しています。HP30ハネッコ、HP40ハネッコについても同様です。また、「そうじゅくハーブ」メガニウムが使われる場合にベイリーフが採用されることは少ないと思われますが、判断基準に則り、ベイリーフもプレイアブルと判断することにしました。

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 勿論、今後新たなカードの登場で活躍するであろうカードも存在するでしょうし、エクストラや殿堂レギュで活躍するカードもあると思いますが、ここではひとまず無視をすることにします。例えば、上述の「そうじゅくハーブ」メガニウムカエループが開発されていなければ評価は大きく変わっていたでしょう。

 とにかく、判断基準は恣意的であり、私の独断と偏見に基づいているということを頭の隅に置いて結果を見ていただけると不都合がないと思います。

 それでは、結果を見ていきましょう。

  • フェアリーライズ(SM7b)

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 プレイアブルなカードは16 / 50 枚(32 %)という結果になりました。再録は0枚です。強化拡張パックなので再録はないのかな?と思いきや、迅雷スパークやチャンピオンロードでは再録がそれなりに多いので油断してはいけません。迅雷スパークはシールド戦を(おそらく)意識したパックなので例外なんですけどね。

 

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 プレイアブルなカードは26 / 95 枚(27.4 %)でした。再録は8 / 95 枚(8.4 %)です。アンノーンHANDは海外の大型大会上位で見られるようですが、海外環境に詳しくないため今回の調査では除外しました。申し訳ありません。

 

  • ダークオーダー(SM8a)

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プレイアブルなカードは12 / 52 枚(23.1 %)でした。再録は1 / 52 枚(2.0 %)です。プレイアブルなカード自体は少ないですが、環境に大きなインパクトを与えたサンダー、カプ・コケコ◇、ジラーチが収録されているエキスパンションです。クチナシも先日のチャンピオンズリーグ新潟大会優勝デッキに採用されていましたね。

 

 調査結果は以上になります。

 まとめると、SM7b、SM8、SM8aの3つから得られるデータでは

  • 拡張パック(大型エキスパンション)のプレイアブルなカードの割合は27.4 %
  • 拡張パックの再録カードの割合は8.4 %
  • 強化拡張パック(小型エキスパンション)のプレイアブルなカードの割合は28 / 102 枚で27.5 %
  • 強化拡張パックの再録カードの割合は 1 / 102 枚で1.0 %(※ただし、他の強化拡張パックでは再録率が高いものもある)
  • 3エキスパンションの結果を統合すると、プレイアブルなカードは54 / 197 枚(27.4 %)、再録カードは 9 / 197 枚(4.6 %

 となりました。

 調査結果を見た感想ですが、思っていたよりはプレイアブルなカードが多いな、と感じました。使えないカードばかりだというイメージが先行していた部分はあると思います。ただ、サボったせいでデータが少ないため、正確さがかなり欠けていることを実感しています。上述したように、再録カードがそれなりの枚数存在する強化拡張パックもあります。せっかくの調査をここで終わらせるのは勿体ないので、時間を見つけて追加調査を行っていきたい所存であります。

 本来ならばここで他TCGとの比較がなされるべきなのですが、私自身が他TCGに精通していないこともあり、なかなか厳しいものがありました。上位入賞リストとエキスパンションリストだけでは測れない部分というものはやはりあります。例えば、ロストマーチはCL新潟のTOP64までに存在していませんが、ロストマーチをプレイアブルでないと判断するのは愚策でしょう。この問題点についても改善できたらいいなと思っております。

 「このカードがプレイアブルなのはおかしい/プレイアブルじゃないのはおかしい」「わたしの使ってる最強のポケモンちゃんがプレイアブルじゃないのはおかしいわ」「雑魚にポケモンカードの何がわかるんだ」等々ございましたら、当サークルのツイッターアカウントまで、遠慮なくご意見ご感想お待ちしております。

 最後に、当サークルは株式会社ポケモン様、株式会社クリーチャーズ様を全力で応援しております。今後もポケモンカードをよろしくお願いいたします。

 

文責:山口利休